家について、うっとうしいくらい季蛍をずっと抱いていた。 「……蒼」 気づいたときの季蛍の顔は、 泣き顔じゃなくて、笑顔だった。 「会いたかった………。会えた…」 「…季、蛍…」 そんな季蛍に、涙が出そうになるほど、季蛍は俺の前で作り笑いをした。 「心配かけてごめんね」 と。 「……何も言うな」 ずっと…ずっと……… 一晩中… 朝まで………………… 離さなかった。 ずっと。