「……季蛍さん?」
「…港…くん」
「どうしたの…!?…………そんなに怪我して」
「…………」
「……車、乗って?家で手当てしてあげる」
「……」
ぼーーっとしている私は、気づいたら港くんい家のリビングにいた。
「陽…」
「えっ!?……季蛍ちゃん」
港くんがそっと頷く。
陽さんも港くんに向かって不安そうな目を向ける。
「……季蛍さん、とりあえず手当てするけど…。
服の下は俺じゃ嫌だろうから、陽にやってもらって?」
港くんはまだ状況が把握できていない様子で何度も目をパチクリさせている。
そりゃあ、私だって……
未だにわからない。
あっという間すぎたあの時間が。