「ッ………」
「携帯で助けを求めようったって無駄だよ?蒼先生、今出張中なんだってねー?」
その声を聞きながら、必死に電話帳を…。
ほんとなら「赤谷 優」が一番上のはずだが、
「お兄ちゃん」
で登録しているから、
一番上にきているのは
「上野 港」
……港くんには悪いと思ったけど、このままだとどうにかなっちゃいそうなので、通話ボタンを押した。
だけど、見つかっては消され。
見つかっては消され。
その繰り返しで、五回目を掛けたときに、彼は携帯を取り上げた。
床に倒された私は、硬直して身動き一つとれず、固まっていた。
そのとき、
~~♪
~♪
「……蒼先生からだってよー。でも残念。電源切っちゃいまーす」
…………ほんとに、
やめて…………