……何の? とは聞けなかった。 ただされるがままで、 気づいた時には、一つの玄関の前。 ダメだってわかってる。 逃げなきゃってわかってる。 いい加減、もうこんな人に騙されたりはしないって思ってるけど… 硬直させた体は、身動き一つとれなくて、引っ張られるがままに、部屋へと入れられた。 服を握って、身を守ろうとするけど、そんな私に… 「はっは、大丈夫だって。変なことしないから」 ……………どうしよう、逃げなきゃ。