ゼリー片手に戻ってきた蒼から、お風呂上がりのいい香りがする。
「……昨日雨に濡れて帰ってきたからでしょ」
自分でも感じていたところをズバリと言われて、何も言えない。
「はい、口開けて」
オレンジゼリーを口の中に入れてくれた蒼。
「………ん。」
「はい。もっかい」
「……もういらない」
「え?一口しか食べてないじゃん。もう一口食べて」
「………いらない」
「……はぁ。」
薬に持ち替えた蒼が、口元に薬を持ってくる。
口を開けると、中に薬をいれてくれた。
水も流し込んでくれて、飲み込む。
「……俺も寝るから。目閉じてて」