「おはよう」
果織ちゃんと目線をあわせるように前屈みになっていて、俺に気づかなかった様子の看護士。
頭上からおはようと呟けば、驚いた顔でハッと上げる。
「あ、蒼先生!!おはようございます」
「で?何、俺に用事らしいね。果織ちゃん」
「……やっぱりいい」
「…だめ。看護士さんに言えて俺には言えないの?ちょっと、ソファ借りるよ~」
「あぁ、はい」
ナースステーションのソファに腰掛けて、抱き上げた果織ちゃんを下ろす。
「どーれ?見せて」
「………お薬欲しいだけ。自分で塗るから頂戴…」
「それはダメだよ。何も見てないのにお薬あげられないでしょ?」
「……イヤだ」
「見せて?」