──────「季蛍」




うっすら目を開ける季蛍。





「港の診察、拒否したんだってなぁ」





「……してない」






「何も見せてくれないから、なんにも分からないって。港は熱があるって言ってたんだけど?」







「…熱なんてない」







「じゃあ計って。」






「だから怠くないってば…」





「じゃあどうして倒れたんだ?」






目を閉じて何も答えなくなった季蛍。








「おーい……聞いてる?」