なんだか頭がグルグルしてきて、ゆっくりと目を開けると、窓の外が真っ暗になっていた。
時計を見ると、18:47。
「やっばい…」
お風呂から音が聞こえるから、愛優が入っているのだろう。
愛優には実家でもここでもいいって言ってあったから、別にここに帰ってきたことに違和感はない。
高島先生には預けると言っちゃったけど。
帰ってきてた。早くご飯作んないと…
重い頭をなんとか起こして、キッチンに向かう。
愛優には悪いけど、今日は簡単なものにする。
こんな体でずっと立っていられる気がしない。
その時、
~♪~~~♪
携帯が、メールの受信を知らせる。
───Dear :季蛍
───From :蒼
明日、出張先から直接病院に行く。明日は家で夕飯食べれるから。
何かあったらすぐ連絡な。
ご飯ちゃんとた食べて、早く寝ろよ」
「………明日かぁ…」
風邪…明日までに治るかな…。
「えっ、ちょ、どうしたの?」
キッチンで座り込む私にビックリしたと思われる愛優。
「愛優…」
「………体調、悪いの?」
……………愛優まで鋭くなっていることが、私の最近の不満。
「……別に、大丈夫だから。ごめんね、ご飯今作る」
「……あ、いいよ。私作る。熱、あるんでしょ?薬が机の上に置いてあったよ。
座ってて?」
愛優が冷蔵庫から材料を出して、私をリビングへ追い出す。
「…愛優…ごめん、ありがとう」
「……どうせパパに言ってないんでしょ?」
にこりと微笑む愛優。
「……………………わかる?」
「うん。言わなそうだもん」
ニコッと笑った愛優はキッチンへ行った。


