「……蒼先生に言わない理由。何?」
「……怖…」
「ん?」
「……怖…いんで…す。」
「蒼先生が?…………怒ってるから?」
「…………じゃなくて…。謝ったとしても、許してくれなかったら……怖いんです」
「………」
「謝っても許してくれないってことは、もうダメってことじゃないですか…
そしたら私、どうなるんですか?1人で子供育てるんですか?
やなんです!!蒼が離れていくのが!!」
「だからこそ…謝るんじゃないの?」
「決心つけるのが…イヤなんです。もう許してくれないっていうのが、決まっちゃうのが怖いんです………」
「季蛍…」
「だから、謝らない方が、一緒にまだいれる気がして…。
せめて…怒っててもいいから………隣にいてほしいんです。蒼に」
その言葉に、隣にいる俺の居場所には、本当は蒼先生がいるべきなんだ。と感じた
だけど、
「そういう意味じゃなくて……。高島先生……。いてくれて、良かったですよ」
血の気のない顔で、懸命にニコリと笑う季蛍が、本当はどんなに辛いのかと考えるだけで……
苦しかった。


