───「………はい。消毒は終わりね」
「……グス、」
服のボタンを締めようとする季蛍。
「だめ、まだ」
「え…」
「聴診してからね。脈が速いからさ」
「やだッ」
「……俺のは大丈夫でしょ?」
「イヤなのッ」
「ダメだってば、季蛍。」
「んっんん」
襟元から聴診器を入れれば、俺の手を掴んで阻止する季蛍。
「離して。心音聞くだけなんたからいいでしょ?」
「……イヤ」
わがままを言う季蛍にため息が漏れる。
「少しぐらい我慢して」
「…イヤだ!!」
「我慢しろ。いつまでたってもそんなこと言ってられないんだぞ?」
「わかってないくせに!!そんなこと言わないで!!」
「あぁ、季蛍のことなんて全部わかってるわけじゃない。
でもしょうがないだろ?季蛍の為にしてることなんだから!!」
「もう知らない!!………ッ」
……痛そうに顔をしかめる季蛍。
でも、
俺では無理。


