「夏、動かないでよ」
季蛍が夏来を抱きしめ…いや、固定して?
芙羽が腕を消毒するんだけど…。
やっぱりダメでした、白衣だけじゃ。
暴れるわ、わんわん泣くわ…。
「夏、夏。………少しだから」
季蛍が言うけど首を振って完全拒否。
芙羽、困り顔。
「………暴れてて失敗したら危ないからなぁ」
と芙羽。
「…夏、絶対やらせてくれない…かもな」
「なつー。ちょっと我慢しよう」
と、季蛍が背中をトントン叩いて泣き止ませる。
だけど、全く泣き止む気配のない夏来。
「芙羽……俺打ってもいい?」
「あ。いいよ、そっちの方が……いいかもね」
「ごめんな…せっかく……。」
「だって失敗したらそれこそ………ねぇ?」
季蛍の腕の中で泣き止まない夏来。
「季蛍、押さえててね」
「うん」
「……」
「ギャアアア」
「はい。終わり」
「夏…終わった。早いね」