体温計を挟むと、動いて抜こうとする。
「だめ、なつ。」
「蒼…?なつ熱ある?」
「……うん…。熱いなーって思うんだけど」
「……だから泣いてたのかな」
「…うん」
ピピピピッ ピピピピッ
「……………7度8分だ。」
仕事帰りだったから、ポケットに入っていた聴診器をつける。
チャックを更に開けて、服の中にてをいれる。
「やっ!!!もしもし嫌ぁッ!!」
「…なつ、少し」
暴れるなつ。
「……痛くないでしょ」
「ヒッグ、ヒッグ…」
「……」
涙で溢れた目で見つめられて、俺は微笑む。
なんとか泣き止んでくれたので、心音をきいた。