「ギャアアアアーッ」
「どうしたの?なつー。」
さっきから泣き止まない声。
それを愛優があやしている。
季蛍は料理を作っているし、俺はたった今帰ってきたというところで、
その泣き止まない夏来と、それをあやす愛優、キッチンで「どうしたのー」と声をかける季蛍を玄関から見渡している。
「あッ蒼おかえり」
「…ただいま」
「ギャアアア、ッヒック、ウエエエェ」
「夏来どうしたの…?」
「泣き止まないの、ついさっきから。抱っこしてあげたいけど両手がね」
と言う季蛍の両手には、フライパンと皿。
「なつー。どうしたの…?」
「ヒエエェエンッ、グ…ヒック」