季蛍が寝室に入ってきて、俺に水のペットボトルを渡す。
「…何で知ってた?9度」
「私だって一応医者なんですけどー。それぐらいわかるって」
「………なるほど」
「とにかくね、蒼には高島先生の診察特別券がもらえるんだよー。よかったねー」
「は?何それ」
「僕が風邪を引いたら蒼先生が。蒼先生が風邪を引いたら僕が。
ってことで、今回は僕が」
「なんで!?なんでそうなる?いいよ、ほんと、俺大丈夫」
「いやー、俺季蛍に言われちゃってるんで」
「イヤイヤイヤ、それホント、大丈夫」
「だいじょばないですよ、蒼先生」
「だいじょばないって…」
「んふふー。とにかく蒼先生」
「……。」
「今から病院行きましょ」