朝起きて、手探りしながら枕元の携帯を見ると、時刻は九時。
「…や、やばい」
おまけに蒼先生からの着信入り。
体を起こそうとするけど、異常な頭痛と異常な怠さが邪魔をした。
なんッとか体を起こし、リビングへ向かいながら通話ボタンを押した。
ツッツッツッツ……
プルルルル プルルルル
「もしもし、高島?」
「あッ。蒼先生」
と言ったその時、フラッと視界が揺れて、棚に激突…
ドンッ
「あッ……ぃッ……たぁーー…」
ドッ…
ドサドサッ
……………。
今の衝撃で棚の上の方に乗っていた小麦粉の袋が床に…バ、バフォン。
……ほんと、最悪。
床は粉だらけだわ、頭はいろいろな意味で痛いわ…。
「……なんかすごい音したけど大丈夫か?」
「はは、大丈夫です」
「……今日どうした?」
「あ。すいません、今起きました」
「………………体調悪いって声だね?」
「え、えぇ?全然ですよ?大丈夫です」
「……元気な高島が寝坊するとかないでしょ、だって。」
普段なら褒め言葉として喜べるところが、今日は全然喜べない。
「…ほんとに大丈夫です」