そばにあったお手拭きで、人差し指と中指から吹き出る血を押さえる。 「なんで?なんでこんな血でてる?」 泣きそうな陽に聞けば、 「…ナイフで切った」 キッチンを覗けば、切っていた途中らしい果物が。 「…と、止まらなくて…、血、が」 「わかったから。泣くな」 「だって…港全然帰ってこないし、どうなるかと思ったぁ」 って、泣き崩れそうな陽。 「泣くなって…」