お兄ちゃんが問診表を見つめていた。
「…あれ?季蛍」
不思議そうに見つめるお兄ちゃん。
「付き添い…」
「そっか。知り合い…ね。そこの台の隣に椅子置いて座りな」
「うん。」
内診までの事を終えた凜は、今すぐにでも泣きそうな顔で、台にあがる。
震える凜の手を握って、椅子に座った。
「じゃあ咲谷さん、始めますね」
極力優しい声で、言うけど、無反応で泣き出しそう…。
「痛かったら言うんだよ?凜」
冷え切った冷たい手を握りながら言う。
「……ぅん」
お兄ちゃんが、声をかけながら進めていく。
「ん゙ッ!!嫌ッ……痛い」
まだ第一関節しか入っていないというのに、嫌がって涙を流す凜。
お兄ちゃんも困った顔…
だけど、手を進めていくお兄ちゃん。
「ッムリムリムリムリ、いだいッあ゙ぁあ゙」