俺は口出ししない。
いざという時以外。
なんだか甘やかしてしまいそうだから。
ずっと季蛍に口出しすると。
俺は季蛍の様子を見ているだけ。
「……目、瞑ってよう?その間にやるから」
うん、と頷いた季蛍が目を閉じて、それをみた高島がそっと服を捲った。
ゆっくり聴診器を入れていく高島。
だけど…
聴診器が当たった…と思われる瞬間、ピクリと体が反応して、高島の手を季蛍が掴む。
「…先生、無、理…」
「無理?もうちょっと頑張れない…?」
涙目の季蛍を見た高島は、即聴診器を抜く。
高島、ビビりすぎ…。
俺だったらそんな目に騙されないけど。