ゆっくり服を上げると、聴診器が入ってきた。
目を瞑って深呼吸する。
落ち着こうと……必死に。
「…………よし。終わり。頑張った」
聴診器が抜かれて、全身の力もホッと抜ける。
「季蛍…、今の熱と体調じゃ、入院になると思う。明日…からでも大丈夫?」
「……大丈夫です」
「じゃあ手続きはしとく。」
「……ありがと。高島。じゃあ季蛍帰ろう。」
「…蒼、仕事……」
「俺もう終わった。今日はな」
「……」
「ほら、行くよ」
そう言われ、立とうとするけど、目眩がして立った瞬間倒れそうだった。
「おっと……」
ベッドに座っていた蒼が支えてくれて、そのまま抱えられて診察室をあとにした。