「……季蛍」
困ったように私を見つめる高島先生。
その時、診察室のドアが開いて、蒼が顔を出す。
蒼は、何も言わず、私の腕を取り無理にベッドに座らせた。
「嫌ッ…やだッッ」
その掴まれた腕を振りほどこうとするけど、蒼は私を掴んで離さない。
立ち上がって、逃げようとする私を蒼は離そうとしてくれなかった。
「嫌だッ!やめてッ!!」
後ろから抱きしめられるような形で、前から蒼の手が服の中に入ってきた。
「嫌ッ!!やらないッ!!」
それでも蒼は、入れた手を止めず胸に当てる。
ドクン、ドクン、…………。
怖い…
「季蛍。逃げちゃダメだ」