あの感覚は、今でも抜けない。
撫でるような聴診器の当て方。
怖い…………。
高島先生もよくわかってくれてるみたいで、無理にしようとしてこない。
「季蛍…。怖いのはわかる…。
俺だってほんとならやりたくないよ。
だけど、これ出来なかったら…入院かどうかも判断できない」
「………」
「…季蛍。」
「……や…ッ」
「すぐ終わらせるから」
そう言って伸びてきた高島先生の手を払いのけてしまった…
「……。」
「季蛍、ごめん。すぐ」
背中に手を回されて、逃げられないようにされる。
右手で軽く服が捲られて、聴診器が入ってこようとしたとき、思い切り立ち上がって、叫んでいた。
「嫌ッ!!」