温かい水の入った洗面器と、タオル二枚を持ったお兄ちゃんは、私の隣に腰掛ける。
「服、脱いで」
「…え、え、えぇ!?」
「バカ。そういう事じゃない。体拭くから脱げって言ってんの」
「…………。」
「…あのなぁ。産婦人科の俺に服脱ぐのためらってる意味がわかんないんだけど。」
「……だってお兄ちゃんだし」
「季蛍が妊娠中診察したのは誰だよ」
笑いながらタオルを絞るお兄ちゃん。
服が濡れすぎてて、体もびしょびしょで冷え切っていた。
体調が元から悪いのに…こんな寒さで…いたら蒼に怒られることは目に見えている。
服をさっさかと脱ぎ、お兄ちゃんが体を拭いてくれた。


