「ゴメンね、ちょっと触らして」
「……」
触られて痛いのか、俺の白衣をギュッと握って引っ張っている。
「…薬塗ってれば大丈夫だと思うよ……。
今塗っとくね」
「ありがとな、」
季蛍はまだ俯いてる。
港が薬を塗ってる間も、痛そうに白衣を何度か引っ張っている。
「よし、これで治らなかったらまた言って?」
「ありがと。忙しいのにごめんな」
「……いやいや。全然」
「じゃあ、お疲れ。また明日」
「うん、じゃーな」
病室をでる間際、季蛍が
「ありがとうございました」
と言って、病室を出たあと、また俺の白衣をギュッと掴んだ。
不安…なんだろう。


