10分。
私の体力が保った時間。
10分を越えたときには、雨も徐々に強くなり体がびしょびしょだった。
そうだ、傘を買えばいい。
今更気づいた私。
商店街へと足を進め、お店を探す。
商店街の角にあったコンビニに行こう、と決めた私は、そこまで足を進めた。
だけど、
視界の眩む私には到底できることではなくて、倒れそうだった。
そんなとき、
「季蛍?」
聞き覚えのある声に、ハッと顔をあげた。
「………お兄ちゃん」
白衣を脱いだ格好のまま、傘をさしている。
「なんで傘さしてないんだ?」
「…………。」
お兄ちゃんのことを見て、安心したのか、足元がふらつき、私はそのままお兄ちゃんの方へ倒れかけた。
「季蛍?」
「お兄…ちゃ…」