──……ポーン…


……ピンポーン




「……ん」







インターホンで目が覚めた。







さっきよりも明らかに重くなった体をゆっくりと起こし、ノロノロと玄関に行く。









ガチャ









「わっ。…って季蛍?確認しないでドア開けたら危ないでしょ?」









呆れたように顔をしかめる高島先生。







「あれ…高島先生…」









「大丈夫?顔真っ赤。」









「……………あ、はい」









「薬、持ってきたよ」






「あ、どうぞあがって下さい」







よろける体でなんとかリビングへ案内する。







高島先生は、袋から薬とペットボトルをだすと、机に置いた。








「で?どう?体調」









「見ればわかるじゃないですか…怠いです」









「ハハ、ごめん。熱は?」









「………8度くらい…?」







「くらい…?って、計ってないの?」







高島先生は、ワイシャツの胸ポケットから体温計を出す。







高島先生は白衣を脱いだそのまんまの格好で、カバンからは白衣が見えた。








「季蛍、計って」







差し出された体温計を、ゆっくりと脇に挟む。