「昨日コロッケ作ってたらしいんだよ。
で、油に入れるのが怖いからって…………。
三メートルも先からコロッケを鍋に投げ入れてんの。燃える燃える。
それを消そうとした凜がさ、何を思ったか洗濯機から濡れた服をとってくるじゃん。
わかるの。それは。濡れた服をかけようと被せようと思ったんでしょうね。
そんでさ。持ってきた服、白いの。
白いの、真っ白。
しかもなんか見覚えあんの。すごい。
凜がさ、その服をかけるじゃん。
そんとき俺気づいた。
白衣なんだよね、それ。
もう目の前で燃えてくし。どうにもできないし。
その後凜なんつったと思う?
『わぁ、芙羽は人だけじゃなくて家も守れるお医者さんなんだね』
だぞ!?」
ため息をつく芙羽。
「三メートルだよ!?三メートル!!
野球のバット三つ分。有り得ない」