「どうした?頭抱えて」 片手にカルテ、片手にコーヒーの俺は呟く。 「凜がやらかした」 凜、というのは芙羽の奥さんで、さっきも言った季蛍の知り合い。 芙羽が言うには、少し…いや、かなり抜けているところがあり、見てて危なっかしいんだそう。 「……昨日凜が俺の白衣を……」 そう言う芙羽を見れば、確かに白衣を着ていない。 「……凜さんが白衣を…?」 「……焦がした」 「…………は?」