仕事を終えた俺は、急いで家へ帰る。
ガチャン
「たーだ…いま…」
涼しい風が玄関を通り抜ける。
リビングへ入った俺は、目を見開く。
「……は?」
テーブルに並べられていたのは、
カボチャの煮付けと、味噌汁と、サラダ。
それと、謎の赤い米。
季蛍はリビングのテーブルに突っ伏している。
「……季…蛍?」
「あ…お帰りなさい」
「ご飯作ったの?」
「……うん、元気」
「………いや、熱下がってないだろ。」
「…………。」
「薬飲んだ?」
「…………。」
「季蛍、計って」
と、ポケットから出す体温計を渡す。
渋々受け取った季蛍が脇に挟むのみてから、洗面所で手を洗う。
高熱であそこまでの料理を作った季蛍の労力には拍手したい…けど…。