熱であったかくなった意味のない冷えピタを外して、ベッドサイドにおいた。
隣に寝る蒼は、私の方を向きながら、気持ちよさそうに寝息をたてていた。
「……ッハァ……」
怠くて目を瞑り、深く息を吐く。
その時、私の手に少しひんやりとした手が触れた。
蒼の手…だ。
額のあとに、首元にも手が触れる。
起こしちゃったかな…蒼のこと。
うっすら目を開けると、目を瞑ったまま私の首元に手を触れる蒼。
そして、蒼は私の近くに寄ってくる。
「起きてる…だろ。まだ辛い?」
目は瞑っているのに、私が起きているとわかったみたいた。
目は閉じたまま私にそう聞く蒼。
「………全然変わってない」
「…そっか。」
そう言う蒼は私を引き寄せて、腕の中におさめた。
心音を聞いているのだろう。
その腕の中は、どうも安心して、体が少し楽になるようにも感じられた。