「季蛍。」 右手で箸を持っているから、左手でワイシャツの胸ポケットから体温計をとった。 それを季蛍に渡す。 「計れ」 「………。」 ごくん、とお米を飲み込んでから、 「…季蛍、」 だらーんと突っ伏しながら伸びる手を取り、脈をとった。 手も熱い。