「ただいまー」





玄関を開けた俺は家に入った。







テレビの音が聞こえるが、季蛍はいないのか?










リビングに入ると、リビングのダイニングテーブルに突っ伏している季蛍。









「………季蛍」








そう呼ぶと、ビクッと体が反応して、ガバッと起きあがる。







「蒼、おかえり」








「……ぁ、ただいま」









「今ご飯持ってくるね」






と、立ってキッチンへ行く季蛍。







その足取りは重い。







季蛍は、運んできたご飯を机に置くと、俺の向かい側に座り突っ伏した。








「いただきます。

………具合悪いの?」






ご飯をつまみながら季蛍に言う。









「……んなわけない」









「すごく怠そうに見えるんだけど」









「ちょっと疲れただけ…」