研修医が去った後、あまりの痛さに涙。






点滴の刺さっていない左手で毛布を引き上げ、丸被りした。








「……うう、うぅぅ………」











「……季蛍?泣いてる?」












パサッとめくられたそこには、蒼がいた。










「……なんで泣いてんの」









びっくりする蒼。








「……うぅ…」








「ごめん。遅れた、急患で」










白衣のポケットから、ウサギのメモを出す蒼。








「ほら、これあげるから泣き止め」











と、笑う蒼。





絶対ふざけてる……。







「うう…酷い、蒼。私がこんなに痛い思いしてるのに。そうやってふざけるんだから」










「ごめんごめん。嘘」