養護教論の戸川先生は、
タオルに氷を巻いている。
「…あれ、長袖着てきたの?」
確かにこんな暑さに長袖のブラウスはおかしい。
「………朝、寒かったんです」
「………あ、そうなの…」
朝……も十分暑かった気がするけど。
「赤谷さん、ボタン外していいかしら?」
半袖だったらそのまま冷やせるらしいけど、長袖だからボタンを外さないと、冷やせないらしい。
「……はい」
「…あ、俺はいても…?」
「……蒼、行かないで」
俺の制服を掴んで離さない季蛍。
「あぁ、うん。わかった」
「ちょっとごめんね~」
戸川先生がボタンを外して、服の中にタオルを入れる。
「本当は服脱いでもらった方がいいんだけど…ね。ブラウスが濡れちゃうから。でも…嫌でしょう?」
俺がいるから嫌なら俺があっちへ行けばいいだけの話、と思ったが、
「………嫌、です、嫌……だけど、蒼…も行かないで」
「……じゃあそのままにしとくわね」


