診察室で、カルテを読む。 コンコン 「…蒼先生」 「…あ、来た」 「……果織ちゃん、先生んとこ来たよ」 果織ちゃんは看護士の襟をギュッと掴んでいた。 怠そうに俯きぐったりしている。 「果織ちゃん、降りよ?」 「……嫌、降りない」 「どうして?先生に早く診てもらって、病室戻ろう?」 「……痛いことしない…?」 「しないよ。大丈夫だから」 と看護士が言うと、手を離して椅子に座った。