お風呂から出てきた季蛍が、俺の目の前に座る。
「蒼がね、帰ったあと大変だったんだよ」
「え?」
「果織ちゃんが泣き出しちゃって。
蒼のことずーーーーっと呼んでたの」
「果織ちゃんが呼んでたの?」
「うん。胸が苦しいって言っててね。夏野先生とか、港くんとか来たんだけど、ずっと泣いてて。
胸が苦しいって。
私もその場にいたんだけど、……
やっぱり泣きやまなくて…」
「胸が苦しいって、発作とかじゃなくて?」
「うん、発作じゃなかったんだよね。
結局ね、気失っちゃって。
……だから明日、果織ちゃんのこと様子みてあげて?」
「あ、うん…」
心配感が一気につのる。