腕にウサギのぬいぐるみを抱えてた果織ちゃん。
「どうしたの?果織ちゃん」
「………蒼せんせ」
「……なぁに?先生に用事?」
しゃがんで果織ちゃんの目線に合わせると、果織ちゃんの目が泳ぐ。
「……あのね」
「うん、」
「…………。」
俯いてしまった果織ちゃん…だけど、俺はあることに気づく。
「あれ?果織ちゃん、点滴は?」
さっきしたんだけどな。
「……………」
「………外した?」
「……ごめん、なさい。倒しちゃった」
「でも先生とこ来れたんだ。偉いじゃん。
今から病室行こうか」
「うん、」
「ちょっと待っててね」
医局へ戻り、聴診器を白衣のポケットに入れてから、果織ちゃんを抱えて病室へ向かった。