ナースステーションで片手にカルテ、片手に璃子ちゃんを抱える蒼先生。
「蒼先生、」
「あ。島内さん。」
「…果織ちゃんの熱が8度7分まで上がってます」
「あ、わかった。今行くね。
璃子ちゃんよろしくね」
ナースステーションにいた看護士に璃子ちゃんを預けた蒼先生が、私の元へ。
「……怠そうだった?」
「はい。声も掠れてましたし、具合悪そうでした」
「そっかー。上がったか………………」
「果織ちゃん、聴診が嫌だって言ってたんです」
「……え、なんで?」
「…恥ずかしいって言ってました。あの年頃でも、やっぱり恥ずかしいものなのですかね。」
「そっか。中学生なんかは皆嫌がるけど、果織ちゃんの年頃も難しいもんね。」
「ですね。」
そうこうしているうちに、病室につく。