「かーおりちゃんッ」
病室に入ると、お粥のスプーンを持ってジーッとみつめる果織ちゃんが。
「ご飯、食べないの?」
ベッドの横にある椅子に腰掛ける。
「……食欲ない」
「……具合悪いんじゃないんでしょ?食べないと」
「どうしても食べなきゃダメ…?」
「…じゃあ一口、食べよう」
「…………うん」
「はい、」
スプーンを受け取って、一口果織ちゃんの口元へ。
小さく開けた口の中にお粥を入れる。
「………大丈夫そう」
「よかった。次」
「蒼先生お昼食べないの?」
「果織ちゃん食べ終わったら行こうかな。果織ちゃんとの約束、終わってから」
「……ありがとう」