「嫌ッ、」
もがく璃子ちゃんを抱えて、病室に入る。
潤む璃子ちゃんの視線を感じるけど、ダメなものはダメ。
院内用の携帯で港に連絡している間も、上野先生に言わないで、と喚く璃子ちゃん。
「……上野先生来てくれるって」
「怒られる……………………。」
しょんぼりしちゃった璃子ちゃんをベッドに寝かせて、布団を掛ける。
「ねぇ、璃子ちゃん。これ何作ってたの?」
作りかけの折り紙を璃子ちゃんに見せる。
「……星だよ。でもわかんないんだ」
「作り方、わかんないのか」
「…折り紙のお姉ちゃんに教えてもらう予定だったのに」
「折り紙のお姉ちゃん?」
「うん。いつも璃子に教えてくれてたの。隣の病室の」
「あぁ。綾葉ちゃんね。」
そっか。昨日退院しちゃったんだ。
「………あーあ。私も早く退院したい。学校で折り紙、やりたい」
「だったら廊下なんか出ないの」
と、いつの間にか入ってきていた港が璃子ちゃんに点滴を刺しながら言う。
「…こ、港せんせ………い」
「…廊下出なきゃ早く退院出来るんだから。
わかった?もう出ないこと。約束だよ」
「ごめんなさい…」


