果織ちゃんの所へは、あとで行くとして。
病室から戻る最中、床で折り紙を折っている子を見つける。
今日は廊下でウロウロしている子が多い。
果織ちゃんを抱えたときのように、ひょいっと背後から抱える。
「あッ、やッ」
「……あれれ?璃子ちゃんじゃん。
…上野先生に廊下出ていいって言われたのかな?」
「…………」
抱えられてもひたすら折り紙を折り続ける璃子ちゃん。
「…上野先生に言っちゃうよ?」
「やッ、それは嫌ッ」
小学2年生の璃子ちゃんは、港が主治医。
喘息持ちで、むやみに外をうろついたりすると、発作が出ちゃうから、港には出ちゃ行けないと言われている…はずなのに。
「折り紙なら病室でやればいいでしょ?」
「嫌だ。ッケホ、」
「ほら。咳…。港先生呼ばなきゃかもね?」
「嫌、やだ蒼せんせッ言わないで?」
「上野先生には廊下出ちゃダメって言われてたでしょ?」
「………………。」
「……点滴だってしてたはずなのに。自分で取っちゃってるし。
上野先生に点滴つけてもらって、病室で折り紙やりな」
「嫌だッ、上野先生呼ばないでッケホ、ケホ、
蒼先生が点滴して?」
「だーめ。廊下出たし咳出てるんだから上野先生に診てもらわなきゃ」


