聴診器を抜いて、ペンライトに持ち替える。 「季蛍、あーん」 顔をしかめて、口を開かない季蛍。 大体わかるけど 「季蛍ッ。あーして?」 目を泳がせ、季蛍はゆっくりと口を開ける。 「……………」 「喉痛いでしょ?」 「……痛くない」 「嘘つくな。お説教の量が増えますよ」 「痛いです」 「薬、塗る?」 「いやっ!それはイヤ…」 「…………季蛍さ、点滴するから少し寝てよう?ちょっと熱が高いからさ。」 「…………うん」