──────「じゃあお大事に」
「ありがとうございました」
「いえ、」
点滴を終えた患者の診察を軽くしてから、カルテに記入してまた部屋を出る。
……にしてもおかしいな。
あの咳。
どうしたんだろ。
……
首を傾げながらさっきの部屋のドアを開けると…
椅子からずり落ちて座り込む季蛍と、確か、最近来た萩瀬という医者。
「やっ、ッハァ、」
また変な咳を繰り返す季蛍に、身を寄せる彼。
「何………してんの?」
バッと振り返った萩瀬は、俺の横をすり抜けて走っていってしまった。
「季蛍、」
ゆっくり背中をさすりながら、髪を分ける。
「苦しッ…」
「あッ、発作……
ほら、季蛍」
さっきの変な咳より、もっとゼェゼェしたかんじの咳。
発作だと気づいて吸入をあてる。
「ゆっくり息して吸って」
「ッケホッ……ッハァ、ハァ…………蒼」
「季蛍、待って、意識とばすな」
「苦しッ、、たかし、ませんせッ……」
「季蛍、」
白衣の裾をギュッと握って、季蛍は意識をとばした。


