「季蛍さん、今夜開いてる?」
「え、いや。今日はちょっと」
「じゃあ明日は?」
「……いや、帰ってからいろいろやることあるんで」
「……なに?家事?」
「家事とかご飯とか、子供も待たせてるし、」
「季、季蛍さん…子供いるんですか!?」
「………は、はい」
「……それは…蒼先生との………………?」
「そ、そうですけど」
「………」
「あの。仕事中だからそういう話はよくないと…」
「だって俺、季蛍さんが欲しい」
即答に返ってきたと思えば、彼は私を壁に追いつめる。
壁ドン。
それはまさにこういう事を言うんだろう。
「……や、やめ………」
「季蛍さん、」
コンコン
ガラガラッ
間一髪で、彼は私から離れ、そっぽを向いた。
「季蛍先生、カルテ…あ。お取り込み中でしたか?」
「あッ、いや大丈夫だよ。」
「カルテです」
「ありがとう…」
「はい、失礼します」


