陽が薬をゆっくり飲み込んだのを確認してから、クローゼットへ。
着替えを持って、ベッドに腰掛けると、
「…ケホケホ、オェ」
陽が口に手を当てて戻していた。
「あッ、陽ッ」
ベッドサイドにあった洗面器を口元に持っていき、背中をさする。
「陽、一回落ち着いたら洗面所行こっか」
「ッゲホ、ゲホ、オェ」
少し落ち着いたところで、さすっていた手で涙をぬぐう。
「陽、洗面所行こう?」
「嫌、港…行かない…」
動くのが嫌なのか、泣きながら首を振る。
「陽、」
「行かな、い…」
首を振る陽を抱えて、洗面所まで運ぶ。
降ろそうとするけど、俺の襟元を掴んで離さない。
「……陽?」
「吐、く」
洗面所に座らせると、また戻した。