………やっぱり…
熱が9度近くありながらも仕事はキツい、
なんて今頃遅い。
あまりにもふらつき、中庭の池のそばの椅子に腰掛ける。
頭はグルグル、喉は痛いし、…
家にいた方が…良かったかな…
そんなことも、今頃遅いんだけど。
「季蛍、」
高島先生が顔をしかめて歩いてきた。
「季蛍、辛い?」
頷くこともできず、ただただ高島先生を見つめる。
「…ハァ、季蛍さ、診察室行こうか。」
そんなことを言われても、動く気力がない。
「ちょっと診察室で熱計ろう」
「う、ごけないんです」
「…………………熱上がってんな…」
高島先生は私の目の前に腰を下ろすと、私の手首を掴んで脈をはかり始めた。