それからは、大学の研究に没頭できるほどの元気はなくて
鈴香に会いに行く勇気も湧かなくて
数日間、ぼーっと過ごしていた。
「おーい!優馬!」
後ろから突然
懐かしい声が聞こえてきた。
「あれ、雅。」
「久しぶり。ど?研究は。」
高校卒業後、
雅と俺は同じ大学に進み、同じゼミで研究に没頭していた。
まぁ、雅は就職という道を選んで、
俺は大学院に残ることを決めたが。
「まぁー、相変わらずかな。」
「そ。あ、今時間ある?食事でもしない?」
鈴香のことの考え過ぎで
食欲はあまりわかなかったけど
雅の誘いにのることにした。

