正直、彼のギャグは全然面白くなくて
俺がキョトンとした顔をみせると
「うわ鈴香ちゃんのせいで阿部くん引いちゃったじゃん〜!!」
「あはは!良介さん最高〜!」
なんだか、2人のイチャイチャを見せつけられてる気がして
すごく居心地が悪かった。
「あ、これオレンジ。
食べたいって言ってたろ?
買ってきたよ。」
「わーいありがとう!」
「俺、これから大学行かなきゃだからそろそろ行くね」
そんなのは嘘だけど。
「え、もう行っちゃうの?来たばっかじゃん!」
ただ、俺の居心地が悪いだけ、
鈴香のせいじゃないよ。
「元気そうな顔見れただけで十分だよ。」
そういうと、鈴香はしゅん、とした表情を見せた。
かわいかった。
「阿部くんって鈴香ちゃんと同い年だよね?就職してないのかい?」
「あ、俺理系なんで、大学院に進みました。」
「そうなんだ〜。俺は文系だったから理系くんのことは全然わかんないや!」
「なにそれ良介さん適当ー!」
イラっときた。
こんなところさっさと去りたかった。

