ガラガラ…


スライド式のドアをゆっくりと開ける。


「あははっ!」


中からは鈴香の笑い声が聞こえた。

鈴香は話すのに夢中で、まだ俺がいることに気付いていなかった。



「あ、」


「ん?あ、阿部くん!今日も来てくれたんだ!」


隣の男の人が俺に気付いて、
それに続くように鈴香が俺を見た。

きっとその男の人はこの前話してくれた良介さんだ。



昨日は入った瞬間に気付いてくれたのにな。



少しだけ、良介さんに嫉妬心を抱いた。