「…俺のこと覚えてる?」


大好きだった。

あの時からずっと
お前のことが忘れられなかった。



なんで俺ら、こんなことになっちゃったのかな?




「……んっ」


あ、目ぇ覚まさせちゃった??


「ふぁあぁあぁぁ〜」


なんとも可愛げのないあくび。


「ねぇおねーちゃん…今何…時…」


起きたら目の前に知らない人がいるとしたら、きっと怖いよな。

お前も俺のこと怖いのかな。



「すいません…あたし記憶無くて…
あ、はじめまして…
あの〜、どちら様でしたっけ??」


……はじめまして…

やっぱり、俺のことは覚えてなかった。



「同じ高校で3年のとき特に仲良くしてもらってた阿部優馬。よろしく。」


「あ、高校一緒だったんだ!
じゃあ知ってると思うけど、一応。
あたし、高遠鈴香。よろしくね?」