「記憶、なんか思い出せた??」
俺は唐突に鈴香に聞いてみた。
「なんか…思い出そうとすると、頭痛くなっちゃって…」
「そっか、まぁ無理すんなよ!」
無理してるのは、鈴香もだけど
俺もだった。
鈴香は一生俺を思い出してくれないのかと思うと、目に涙が溜まる。
「そうだ!この前ね、部屋にいてもつまらないから、病院内をふらふら散歩してたの!」
「え!?大丈夫なの?」
「体の方は特に問題ないから、看護婦さんにも許可はもらったし」
「そっか」
「うん、それでね、屋上である人と友達になったんだ」
「ある人?」
「そう、男の人」

